買う気にさせる「説得」と「納得」の違い【営業のコツ】
あなたが納得しているものは、売れる
目次
心底、納得しているモノしか売ることが出来ない。
それもそのはず、本人が納得していないのだから、購入する相手など納得するわけなどないのだ。
頻繁に生命保険の営業マンに会う。
「秀吉さん、これ加入した方が良いですよ!!」と、言われることが多い。
僕は、すかさず「○○さんは、入っています?」と、聞く。
何と、8割が入っていないのだ。
僕が生命保険の営業マンならば、進める商品は加入しているし、保険証券を常に持ち歩いている。
つまり、あなたが本当に良いと思っているモノにしか、お客様はお金を払わないのだ。
僕は、完全注文住宅を専門に売っている。
その僕が「戸建てを力説」したのちに、「僕は分譲マンションが良くて、住んでいますけどね」と言ったらどうだろうか。
言わなくても、聞かれた時点でジ・エンドである。
もし矛盾している場合は、それ相応の理由が必要である。
あなたが紹介するモノは、あなた自身で納得した上で、提案するべきだ。
あなたが納得するだけでは、少し足りない
あなたがいくら商品を納得したとしても、お客様が納得しなければ意味がない。
それでは、どのように納得してもらうのか。
至ってシンプルである。
それは、「説得しないこと」である。
「僕も加入していて、絶対良いですよ!」
「これはあなたにピッタリです。この商品がなくなる前に加入した方が良いです!」
せっかく、自分自身が納得した商品を説明しているにも関わらず、お客様を圧迫してしまう人がいる。
実に惜しい。
それは、説得であって、「お客様の納得」とは、180度違う。
お客様には、納得させなければならないのだ。
納得とは、お客様自身が「自らの意思を以て、決断する」ことである。
説得とは、「僕たちの考えや論理を理解させ、促すこと」である。
つまり、
「納得」➡「お客様目線」
「説得」➡「あなた目線」
である。
昔は説得でも売ることが出来た
なぜならば、情報力を握っていたのは、売り手側だったからだ。
情報を知らない人間を、説き伏せることはどれだけ簡単なことだろうか。
念のため、30年前はインターネット普及率は3%である。
【昔の情報力】
業者>お客様(一般人)
この場合は、説得で説き伏せることが出来る。
【現在の情報力】
業者<お客様(一般人)
この場合は、商品知識がお客様の方が上である。
とても説得など出来ない。
今は何でも調べることが出来る上に、専門家の人とも身近にコミュニケーションを取れる時代である。
これだけたくさんの情報があるのならば、「現在」の売り方は、自ずと決まってくる。
それは、「お客様と数ある答えの中を、一緒に探す」ことに尽きる。
一緒に探すことで、お客様は納得した上で、決断するわけだ。
間違っても、あなたが良いと思うものを説き伏せてはいけない。
一緒になって、悩んで、考えて、その人のペースで決めていこう。
最後に
6年前の僕の営業方法と、今は180度違う。
今でも恥ずかしいが、「これしかありません!!」が、口ぐせだった。
その売り方では、今は残念ながら成績を残すことが出来ない。
ただ、唯一出来るとすれば「ブルーオーシャン」しかない。
僕が取り扱っている商品は、「レッドオーシャン」である。
常に、比較検討され続けてしまう。
その中で、「これが絶対よい!」など言えない。
「考え方」を説くだけの時代になっている。
もし、あなたの商品がズバ抜けた特徴があるならば、その方法のままでよい。
これだけモノが揃った時代で、そのような事があるならば羨ましいと思う。